3つのチャルダッシュと2つのタイス
iPhone3GS騒動の付け足しのようになってしまったY乃のコンサートについて書いておこう。今回はこれまでの大泉学園駅前のホールではなく、練馬区役所の裏、練馬公民館の中にあるホールで行われた。Y乃の本当の出番は最後の曲とアンコールピースの1曲目で、設定と充電を終えたiPhone3GSのビデオカメラで保存することがギリギリ間に合った。
チャルダッシュはこれまで3回聴いた(2回目はCDに録音されたものだったが)。2回目の演奏はかなりピアノに引っぱられて面白くなかった、と感想をY乃に伝えておいた。1回目の音は表のHPの今年の前半のMonologueで聴けるようにしてある。このときの演奏はY乃が一人走りすぎていた。だから今度は表情の付け方にかなり注文を付けた。たぶん、そこそこの聴衆を前に演奏をしたY乃が気にしていたのは私だけだったと思う。素人の私は小さいころから何度も枕元でY乃にこのチャルダッシュを弾かせていい気持ちになっていた幸せ者なのだが、今回Y乃はこれまで私が何度も言っていた「EUGENEのチャルダッシュ」を弾こうとしていた。それは最初の弓がゆっくりと降りていったところで十分に私に通じた。すでに何とか弾けるという域は越えているのだから、あとは自分のチャルダッシュを築いていく時期に達していると親ばかながら思う。その前に私の思うチャルダッシュを弾いてくれた。小さなiPhone3GSをステージに向けながら私はY乃が私のために弾いているということを体中で感じていた。この曲は臭いくらいにこってりと弾くべきだと私は思っていて、そのとおりにY乃は弾き終えた。ありがとう、Y乃! と心で思った。次は君が自分で一番いいと思うチャルダッシュに仕上げて弾いてください、お父さんの存在を気にせずに… (ってムリか…)
アンコールピースはこれも2003年に高校の学園祭で弾いた「タイスの瞑想曲」。この曲もすでに何百回も練習してきた曲だろう。ムッチリと太ったY乃が弾いた2003年のタイスを私はビデオに撮り、何度も何度も見てきた。これを越えるとしても音程を外さないくらいだろうと思っていたら、これが全く違うタイスだった。オケをバックにしていたこともあるが、6年間という時間はY乃を痩せさせ、音を厚くさせた。ヴァイオリンが違うということもあるのだが、それ以上にタイスへの思いが深まっているのを感じさせる音だった。少しも焦ることなく、たっぷりとこの曲を弾ききったY乃に私の「ブラボー」が届いたろうか。
親子の戦いはこれからも続くだろう。私は私の中に出来上がった音があり、リズムがあるから、それを彼女はまず乗り越えないとならない。そろそろ次の曲に行きましょうか、Y乃さん! 次の課題曲はバッハのシャコンヌです。よろしくお願いします。
(追記)2曲の音源を表のHPにアップしました。iPhone3GSのビデオカメラで撮った動画のファイルから音源をAACファイルで吸いだし、Macに入っているガレージバンドというソフトで前後切り取りの編集をし、再度iTunesに戻してmp3ファイルにエンコードして載せてあります。せっかくビデオで撮ったのですが、動画を載せる方法がわかりません。YouTube経由は嫌だし…
























加工賃50円でMartin専用のレンチができた。これで、素人はしてはいけません、とクロサワから言われているアジャスタブルロッド回しをした。約0.3mmほど低くして、買ったときと同じ2.7mm/6弦12フレットに合わせ直した。音は変わらない。弾きやすくなったかというと、なったような気がするという程度。2mmくらいまで下げている人もいるくらいだからもう少し回してもいいのだが、怖いからやめておく。少しは弾いてやらないとギターも老化する。放っておいても老化するなら、愛用してやって自分と一緒に老化した方がいい。むしろギターにとってはこれからどんどんよくなっていく時期でもあろう。きれいな紅葉を愛でて歩き回る気があまりしないので、家の中に引きこもり、ギターを弾いている。それが私の安曇野暮らしの休日の姿のひとつである。

携帯サイトで私のブログを読んだY乃から「何でチェロのことしか書いてないの」とクレームがついた。5人の息が合ってて分厚い音がしたと誉めたじゃないと言ったが、どうももの足りないらしい。Y乃は何故か室内楽ではセカンドをやる。派手なソロが目立つファーストなら批評できるが低音域でアンサンブルを引き締める役回りだとアンサンブル全体の音や表現力を誉めたことで十分ビオラも含めた楽団を評価したことになる。今回のブルックナーの五重奏は第一楽章がチェロのソロがメインだったから、いいチェリストだったと感じた。でもどんなにソロパートが卓越した腕前でも他のパートが良くなければアンサンブルとしてはバランスがとれない。彼女が三年生の「安達祐実」ちゃん(私がそう呼んでいるだけで本名は違う)にファーストを任せセカンドに自分が回っているのはアンサンブルの構成について感性でわかっているからだろう。うまいソリストを4人揃えてもいい四重奏になるとはかぎらない。だから弦楽四重奏は楽しいのだよ。弾いてても聴いてても。
フルトヴェングラー1943年6月27、30日録音のDELTA第2世代復刻盤「ベートーヴェン:第4・第5」(DCCA-0006)が届いた。東京の家のステレオはアンプのボリュームが壊れているので仕方なくiTuneに入れて聴いているが、山で聴いている同曲異録盤とはまったく異なる「音」だ。針の滑る音はするが、一つ一つの音がクリアで目が覚めるようだ。古いアパートの隣の部屋の住人が遠慮がちに鳴らすレコードを薄い壁越しに聴いていたのが、目の前の古い再生機を前に聴かせてもらっているような感じだ。










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