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2008年10月17日 (金)

人生の秋

 あの、Mac信者にとっては悪魔のようだったビル・ゲイツが7月にMicrosoftの主導権を譲り退き、そして今度はMac信者にとってグルだったスティーブ・ジョブズが引退するというニュースが流れている。どちらも私と同年代で、確かに居眠りしていてもつとまる政治家と、最先端の商品を扱うビッグカンパニーのボスは全く違う人種だと思う。身分にすがりついていないと自分のアイデンティティが保てないような政治家どもとは別種の彼らは人生の計画の中で自分の引き際をわきまえている。私だって、やめていく彼らのように経済的に何にも問題がなかったら、やめたい時期である。彼らのような達成感は全くないけれど、人生の秋から冬にかけての生き方を考えると仕事をしないで済むならば仕事にかける情熱はないのが本音だ。

 心配なのはジョブズの今回の新しいMacBookの発表のKeynoteで見せたあの痩せ方である。まだ、動画は見ていないのだが、小さな画像からでも、異様な痩せ方は数ヶ月前とは全く違うと見て取れる。つい先頃、ジョブズなりきり3点セットを書いた矢先なのに、かれはそれらのグッズを身にまとい、しかも顔は老いたネズミのように小さくなっている。彼のガン克服を喜んだのはいつのことだったか。しかし、それからKeynoteごとにやせ衰えていく彼を見ていて、彼が自分で言った克服が、一時的なものであったのではないかと感じつづけていた。おそらく彼の追っかけをしていたファンの多くがそれを感じていたのではないかと思う。

 他人事ではないのである。何せ、同い年で、私の方が数ヶ月年上なんだから。毎日カイロプラティクスに通って、体をバキバキ言わせている私が、格好よくKeynoteで喋るジョブズを見ていていて励まされていたのだから。

 これは多少の時差はあってもみんな通る道である。老眼鏡を必要にかられて作ったときに、老眼鏡をかける自分を数年前までは決して想像していなかったことに人は愕然とする。毎日歩いている道が妙に遠く感じ、靴を履いたりぬいだりがきつくなる。夜、何度もトイレに起きて、それでも朝早くに目が覚めて、だからといって眠気が抜けたわけではない疲労感を覚える、そういう自分に誰がなると思っただろうか。

 あなた方もそうなるのですよ、近い将来。ジョブズの引退が体調故のことでないことを祈るだけである。

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コメント

この頃、自分が老いていくのを少しずつ感じながら生きる前に、世の中がもう生きていけなくなるほど変貌してしまうのではないか、と危惧します。
でも、自分の大切な大先輩達が、四季を感じ、老いを実感し、今までの人生を振り返る時間を持てているのなら、その大先輩達の恩恵にどっぷりと浸かってきた我々若輩者達がこれから来るであろう不透明な世の中でもがいたとしても、それはそれで仕方のないことなのかなあ、と感じたりもします。
我々若輩者達は、今この瞬間の、この世界の美しさを瞼の裏に焼き付けて、これ以上腐敗しないように頑張っていくしかないのですからね・・・。

投稿: パラディソ | 2008年10月18日 (土) 00:19

パラディソさん

私も少し前までこの星が、自然も人為も含めて私や私の子孫の代あたりで行き詰まるのではないかと危惧していました。その危惧は今でも変わりはないし、むしろ私の想像していた以上に加速しているという気もします。

しかし、やっぱり星の行く末よりも自分の終末の方が先に来ると最近は確信をもって思うようになりました。いくらちっぽけなこの星でも、そこの上で生きている人間の方がはるかに短いスパンで交替していく。森の季節の移りと虫たちの瞬きをするあいだくらいの短い一生を目にするとそれと私たち人間と50歩100歩かな、という感じ。

そんな人間が意図的計画的に行う商品の変更(繰り出す側は改良、進歩というのですが、一つの商品を出すときにはすでに3世代くらい後の商品を出すタイミングをはかっているはず)の最たるものがコンピュータの世界で、先日行われたAppleの発表イベントのポッドキャストを今少し前に見ました。心配していたジョブズの様子はこの一つ前のiPhone3Gの発表のときとそう変わってはいませんでした。相変わらず激痩せしてましたが。

世界が物であると考えれば物はいつか朽ち果てるときがきます。この星だって大事に使っていても少しずつ老化していくのです。まあ私たちの目の黒いうちにどうこうなるというものでもないと楽観しているのは先に書いた通りですが。

投稿: EUGENE | 2008年10月18日 (土) 09:05

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