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2008年3月16日 (日)

MacBook Airと暮らした10日間

 購入ボタンを押すのに躊躇したために早かった人と比べひと月遅れでスタートしたMacBook Airライフについて書いておくことにする。

 Apple Storeサポートページ内のDiscussionやあちらこちらのブログなどで報告されているような不具合は幸い起こっていない。できると書かれていることはすべて普通にできている。リモートディスクでCDやDVDを共有してインストールを行ったり、Time Machineを使いTime Capsuleにバックアップしたり、いずれも快適に行えている。ポータビリティを追求するコンピュータに光学ディスクはいらないと信じている私にとって、ワイヤレスでOSも含めソフトウェアをインストールしたり、データのバックアップをとったりということが普通にできるということがとても大事なことだったのでこの点では今のところ全く問題はない。

 このコンピュータの唯一の長所である美しさと軽さは慣れてしまうと感じなくなる。特に初めてAppleサイトで写真を見たときに「息をのむほど美しい」と感じたそのデザインはMacBook Airを普通に使っている限りは感じない。MacBookと同じサイズのディスプレイを見ながら、同じサイズのキーボードを叩いているからで、「MacBook Airを使っている自分」という意識を持たなくなるからだ。ディスプレイはあらためてMacBookと比べてみてはじめて、わかる程度に明るくきれいだし、キーボードの感触も小気味よさではMacBookより少しいい。がこれもMacBookと比較した場合であってMacBookが特に悪かったわけではないので違いは僅少。縦にしたり横にしたりして筐体をまじまじと眺めて乙に入っていたのは届いたその晩だけで、その後はあらためて筐体の美しさを意識しなくなる。実は美しいウェッジシェイプも、ディスプレイの薄さも写真で撮ったときに初めて見えてくるもので蓋をした状態で普通にそこに置かれていると、のっぺりとした柔らかな膨らみのある薄焼きのクッキーのようである。どこかのサイトで誰かが「白い恋人」みたいと言っていたがまったくそのとおりである。

 MacBookと比べて明らかに違うのは軽さだ。これはMacユーザが長年待ち続けた持ち歩きができる本当の意味でのポータビリティを実現していると思う。膝の上に載せて使っていても苦にならないし、使い終えたらパタンと蓋を閉めて小脇に抱え、あるいは片手でつかんで移動できる。バッグに入れていてもコンピュータを運んでいるという感じがない。しかしこれもLibrettoのような1kgを切る本当に小さなポータブルコンピュータを使っていたころのことを考えると、表面積の大きさがそれなりの大きさのバッグを必要とするし、それなりに重い。Librettoは電車の中などで無造作に入れた鞄の中から(あるいはコートの大きめのポケットから)すっと取り出して、立ったまま起動して使ったりしたものだが、さすがにそういうコンピュータとはジャンルが違う。それでも起動にも終了にも時間がかかるWindowsPCと違って、さっと立ち上がり、さっと終了するMacだから、短い乗車時間でも開いて使うことはできる。Librettoの場合は起ち上げと終了に時間がかかったから、降車駅の一つ前の駅くらいから終了し始めないと、降車駅で下りてから、ベンチで終了するまで待たないとならないことがあった。ただ、今の時期、電車の座席でMacBook Airを開くのはまだ目立ちすぎて恥ずかしいが…

 ポータブルコンピュータの命でもあるバッテリの駆動時間は、カタログ値5時間だが、まだ新品の状態で計測したところ、iTunesで音楽をAirMacに飛ばしてステレオで再生しながら、Officeや画像ソフトなどを動かしていて最大で4時間ちょっと保った。平均すると3時間半から4時間弱。まあまあの数字だと思う。ホットスポットを利用してインターネットをしてどのくらい保つかはまだとことんやってみたことがないのでわからないが、YouTubeなどの動画を再生したりしていたらもう少し短くなるだろう。とはいえ、今の私の生活の中でそういう使い方はしそうにないので関係はないのだけれど。まあ、4時間近く保てばどこかで充電する機会ができるはずだからポータビリティは高いといえるだろう。

 タッチバッドは慣れてくるほどに良くできているなと感心する。ときどき掌が触ってしまうのか、カーソルがどこかへ飛んでしまうこともあるが、USキーボードはホームポジションが右寄りでタッチバッドへの干渉が少ないから、あまり気になるほどではない。画像の回転などの動作は人に見せびらかすとき用で実用上は使うことはあまりない。それより便利なのは三本指で行うスワイプで、インターネットをしているときに前のページに戻るときなどさっと払うようにしてやるとページ移動ができる。あとは二本指で行うピンチとクローズで文字の小さなページをかんたんに拡大縮小できる。1本指の移動も慣れると簡単。2本指のスクロールはMacBookも同じだった。

 USキーボードはかっこよさで選んだのだが全く問題はない。小さくなったリターンキーもホームポジションに手を置いて自然と小指が伸びる位置にあるから打ち損じることはない。日本語入力時に記号を入れようとするとキートップのマークと違うものがたくさんあるが、これもブラインドで覚えてしまえばどうということはない。とにかく、JISのゴテゴテした表示がないだけUSキーボードはすっきりしていてかっこいい。とくに暗いところでライトアップされたキーボードは実に美しい。

【結論】総じて私は満足している。MacBook Airをデザイナーの目で分析している人のHPで、造作の精度は非常に高いと書かれていた(その人はアルミニウムの成形や穴のあけ方など職人的技術的な面から、この仕事の難易度を書いている)が、それを読みながらあらためて素人が気がつかないディテールに感心する。MacBook Airのデザイナーのこだわりやそのこだわりを形にしたこの製品の完成度は非常に高い。
 機能は現時点で不満はない。わずか4ヶ月でもう二世代前のスペックになってしまったMacBookと比べても確かにスピードは若干遅くなった気がするから、新しいMacBookはもっと早く感じるのかもしれない。メモリについては、増やすと格段にスピードが速くなると信じていたのだが、1GBが2GBになってもあまり早くなった気がしない。とすると持ち運びができないわけではないMacBookのほうが値段を考えるとやはりMacBook Airよりもずっとリーズナブルだと思う。あるいは同じくらいの値段を出すのならマルチタッチバッドが採用されたMacBook Proという手もある。腕力があり、新しもの好きでない人や、初めてMacを買う人はMacBookのほうがいいと思う。
 MacBook Airはそこに込められたコンセプトをよしとする人以外は手を出すべきではないと思う。私は買って良かったと思っている。あくまでセカンドマシンとしてだが。このMacBook Airはこの10日間、名前のとおり〈空気〉のような存在として私とともにあった。


 

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コメント

 AppleサイトのDiscussion、言ってみれば不具合報告の場なのだが、移行アシスタントがうまくいかないという不具合のところを読んでいて驚いた。「手順書どおりやらないとうまくいかない」と書いている人がいる。みんながそれに同調している。こういう人たちは昔からいたんだろうか。最近のクレーム症候群に汚染された人たちなんだろうか。

 通常不具合とは「手順書どおりやってもうまくいかない」ということをいうんだけどなあ。で、手順書どおりにやったという人でも、実は手順書を読み違えていたり、読み飛ばしていたりということもあるのだ。

 先日Time CapsuleをGoogle検索していたら、Time Capsuleのセキュリティに穴、というような記事が出ていて、ワイヤレスはそれなりに危険そうではあるから読んでみたら、冒頭から延々とTime Capsuleに対するその人なりの問題点が書いてあって、最後にこの記事の真相が書かれていた。ある小学校でTime Capsuleを購入し、卒業生の作ったファイルを仕舞い、地中に埋めた、というのだ。そして心配だったので校長が数日後に掘り出して接続してみたらつながらなかった、これではタイムカプセルにならないじゃないか、というのがオチだった。ここでセキュリティというのは侵入してくる「水分」に対して安全性が確保されていないということなのだった。本気でこういうことを書いているのか、Anti Mac派の攻撃か。

 ちゃんと正しい使い方をしているかぎり、不具合は生じていません! 

投稿: EUGENE | 2008年3月22日 (土) 10:52

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