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2007年1月28日 (日)

Toraの「誕生日」とキクイタダキ

Tora6thbd02 トラには誕生日がない。6年前の1月27日、東京に大雪が降った日に我が家の玄関前に捨てられていた。声を嗄らして鳴いていた子猫は鼻水を垂らし、まもなく死にそうなくらい痩せこけていた。その日以来我が家の飼い猫になった。すぐに獣医のところに連れて行かれたトラは生後ひと月ほどと言われたが、我が家では拾われた27日をもって彼(その後彼は男子ではなくなったが)の誕生日は1月27日になった。
 この土日、娘らが家を留守にするので、私とFERMATAといつもの山行きに連れて行った。暖冬といわれながら八ヶ岳南麓は例年になく雪が多く、この日も韮崎から旧大泉村に入るころからWindowsのスクリーンセーバーの星が迫ってくる画面のように雪が車のウィンドウに向かってきた。小海線の跨線橋を渡り、林道にはいると21日に降ったという雪の上に新雪が積もり、車は何度も制動力を失った。
 それでも何とか家までたどりついた。台所以外に火の気のない家の中で唯一暖をとれるのは薪ストーブの周囲だけで、トラはストーヴの後ろの煉瓦の上に自分の居場所を決めた。


Kikuitadaki01 その誕生日の日の午後、私たちが遅いブランチをとっていると(そういえば前にもこういうことがあったのはブランチの最中だった)、デッキの上のリョウブの木から窓にぶつかる物体があった。見ると非常に小さな鳥だった。目を閉じ、腰を抜かしてデッキの上に尻をついている。
 
Kikuitadaki02 近づいても動かず、丸くなっている。前のワシの仲間と違ってこいつは小さいからもう駄目かなと思って手に取ってみるが、ほの暖かくときどき細長い足を動かしている。額に黄色い筋が入っていて中央が少し赤い。体の毛は鶯色をしている。FERMATAがいつものようにポケット野鳥図鑑をめくっている。

Kikuitadaki03 時々目を開けるようになったのでデッキの上におろし、餌をデッキの上に少し置いた。が、小一時間ぼうっとしたまま、「私は誰? ここは何処?」状態が続いた。家の外に出てカメラを向けても動かない。まだ脳震盪が続いているみたいだ。私たちは飽きずにその鳥の様子を見ていた。その鳥は、図鑑によれば「キクイタダキ(菊戴)」という和名のある、日本で一番小さい鳥だということだった。私がサッシの硝子を何度叩いても動かなかったが、首を左右に動かすようになった。リョウブの木には平気で山雀の仲間が来ていた。そのうちようやく彼は(額の黄色の菊の花びらの中央に赤い部分があるのが雄と図鑑にあった)リョウブの木に移ったが、そこから飛び立つのにさらに時間がかかった。
Kikuitadaki04

 無事飛び立って冬枯れの林に帰っていった鳥を見送ると、しばらくしてまた雪が降り出した。

 さてトラの話しに戻る。以前、犬っぽくなった猫であると書き、赤ん坊のように抱っこされるのが好きだと書いたら、猫好きの人に不思議がられた。私の大げさに書く癖を知っている人が信じないのも仕方ないくらい猫らしくないのである。最後に、今日、帰宅してから娘に抱かれているトラの写真を撮った。うちの中でこういう抱かれ方を求めてこられないのは私だけである。なぜかわからない。私だってニューハーフの彼を愛しているのに…


Tora6thbd01

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