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2007年1月14日 (日)

ベニマシコ

Benimasiko01 今日はFERMATAが仕事で8時に職場に行かねばならず、午後からはY乃が家の近くのホールで小さなオーケストラの助っ人として出演するのを見に行きたかったから、山はお休みのはずだったが、前回手帳(一冊の手帳ごときがないために精神が動揺してしまう性格は何度も書いているのでご存じのことでしょう)を山の家に忘れてきたのをとりに金曜の晩、車を飛ばしていった。そして今朝まだ夜も明けぬうちに山を下りてきたところ。

 雪はあれから降っていないようで量は増えていないが、寒さも厳しかったようで減ってもいない。真夜中の林道は大きく腰を振るようなことはなかったものの凍結していて家に着くまで怖かった。めんどくさい通水を済ませ、くだんの手帳に一週間の出来事をあとから書き足し、寝たのは午前1時を回っていた。

 翌朝はキーンと晴れて気持ちよい一日だった。朝風呂に入る。我が家は風呂場もトイレもすべての窓が素通しだから、露天風呂に入っているような感じで、眩しい日差しを浴びながら風呂に長く寝そべると、この一週間の面白くなかった仕事の憂さも融けていく。手帳をいいわけにして、生活のリセットをしに来たのかもしれない。雪で食べ物がないのか、デッキの手すりや餌箱に野鳥用の木の実のセットを入れるといろんな鳥がやってくる。体は大きくないが地元の顔を自ら任じている山雀や四十雀あたりが最初にやってきて餌場を占領する。その後も階級順にいつもの連中がやってくる。

Benimasiko02_1 夕方、5年目にして初めて目にする鳥が数羽、たぶん家族でやってきた。私たちがここに住み着けば珍しくもないのだろうが、偶然目にした野鳥だった。さっそくデジタルカメラを構えるが、何といっても古いIXY300だからすぐに電池はなくなるし、望遠は大して効かないし、あまり期待せず、充電したり、撮ったり、電池が切れてまた充電したりを繰り返しながら1時間以上鳥の撮影を行う。一方でFERMATAが野鳥図鑑を見ながら鳥の名前を探す。たぶん、ベニマシコだと思うが、オオマシコかもしれない。Mont BlancのインクBordeauxのような酒紅色をした体に黒と白の縞の入った尾羽を背負っている。最初のうちはカメラをもって窓際に近づくと波状飛行をして向かいの林に逃げていくが、日の暮れる前にたっぷり腹ごしらえをしておきたいという事情もあるのだろう、そのうちカメラに動ずることなく、デッキに覆い被さったリョウブの木にやってきて餌箱に入ったり、デッキの上に残っているヒエかアワを啄んでいる。

Benimasiko03 東京では今、椋鳥の異常繁殖で騒動が持ち上がっているが、鳥が増えたことを大騒ぎする人間の身勝手さは、山で野鳥に本来は食べられない餌を与えてしまうのと通底しているのだろうか。よくわからない。それでも夕日を浴びたマシコ一族の記憶に我が家をサンクチュアリと刷り込んでくれたらいいなと思ってしまう。

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